第373章

アシスタントが頷き、窓の外の暗くなった空を見やる。「もう遅い時間ですし、前田社長もここ数日多忙でいらっしゃいましたから、今日はお早めにお帰りになってはいかがですか」

「そうね」

前田南は大きく伸びをした。ここ数日帰宅が遅く、帰る頃にはククはもう眠気に負けてしまっていることが多かった。

話す機会も減ってしまっている。そういえば、随分と長い間、娘とゆっくり過ごせていない気がした。

オフィスを出て帰路についてもいい頃合いだったが、ふと、タレント用の演技レッスン室の明かりがついているのが目に入った。

こんな夜更けに、誰が残って練習しているのだろうか。

彼女は疑問を抱きつつ、足音を忍ばせて...

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